氣のコラム
旬の話題「令和」に隠れた氣の言葉
2019年5月1日より、新しい時代「令和」がはじまりました。新しい時代を迎えるこの時期、これまでの人生を見直したり、大きな変化のきっかけにしようと考えている方も多いのではないでしょうか。「令和元年」を、あなたはどのように過ごしますか?
「令和」に込められた願いとは?
新元号「令和」には、どんなメッセージが込められているのでしょうか?
新元号は、万葉集「梅花の歌」序文にある、
「時に、初春の令月にして、氣淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、 蘭は珮後(はいご)の香を薫す」
という文言から引用したものだそうです。
これを現代語に訳すと、
「季節は、初春の佳き月で、空気は清く澄みわたり、風はやわらかくそよいでいる。梅は佳人の鏡前の白粉のように咲いているし、蘭は貴人の飾り袋の香にように匂っている」
となります。
令和という元号に込められた願いは、「春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように一人ひとりが明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたい」というものだそうです。
厳しい冬の時代を終えて梅の花の開花とともに気持ちの良い春が訪れ、人々が自然と寄り添い、助け合い、新しい文化が生まれていく。そんな時代が来たら素晴らしいですね。
「令和」出典の一節に隠された「氣」の存在
さて、注目された万葉集の一文に「氣」という言葉が入っていることにお気づきでしょうか?
もう一度引用してみましょう。
「初春の令月にして、氣淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、 蘭は珮後(はいご)の香を薫す」
たしかにありますね。この「氣淑(よ)く」というフレーズを、あなたならどのようにイメージしますか? 上の現代語訳では「清く」とされていますが、これは訳者によって「大気もよく」とも「気持ちよく」とも訳されています。
原文の言葉とおりに読めば「氣が良い」ということですが、この氣が良いという感覚は日本人独特の感覚なのかもしれません。「氣」という言葉は「気候」「雰囲気」「空気」などの多くの意味に受け取れ、その全てのことを表すように思います。英語で氣のことを「air」と訳すこともあるそうですが、意味が限定されてしまうため、あまりしっくりきません。「氣」は、有形無形のあらゆる現象を表す言葉です。これ以外に言い換えることのできにくい言葉ですから、この一節も原文のまま「氣がよく風がやわらぎ…」と訳したいものです。
氣とは、環境浄化をするもの
そもそも「氣」という存在は、病気を治したり運気をアップしたりするといった限定的な作用をするためのものではなく、「環境浄化」のためにあるものなのです。つまり、氣が良くなるということは、私たちの暮らす日本の環境、ひいては地球全体が良くなるということです。
令和の時代は始まったばかりです。あたらしい時代を作っていくのは私たちひとりひとりです。
「初春の素晴らしい月、氣が良く、風がやわらかくそよいでいる」
そんな穏やかで幸せな時代を目指すためには、私たち自身にエネルギーがあり、心に余裕がなければできません。「氣不足」にならないよう、普段から充分な氣のエネルギーチャージをするよう、心がけましょう。