氣のコラム
旬の話題テレワークの良い面、悪い面
新型コロナウィルス感染症の拡大が続く中でも、2020年12月のテレワークの実施企業の割合は2割程度との調査結果もありました。東京都はコロナ収束後もテレワークの定着を推進しており、今後が社会がどのようにテレワークを活用していくのか、判断が問われています。働き方の多様化が進む中、私たちはテレワークについてどう考えていくべきか、氣の観点も交えて考えてみたいと思います。
テレワークで仕事の生産性は上がった?
2020年4月の緊急事態宣言下では、設備面や心構えなどの準備が整わないままテレワークを余儀なくされた人たちも多かったように思います。約1年の時が過ぎ、リモートでの仕事の進め方も慣れてきたのではないでしょうか。家で仕事をしている方が生産性が上がると考えている人も多く、出社することによって生まれていた無駄が省かれ、集中力が保てるという意見も多く聞かれます。
しかしこうした意見も、年代によって異なるようです。テレワークでの生産性の変化に関するアンケート調査では、「生産性が上がった」と答えた人が、39歳以下は45.7%であるのに対して、「40歳代」だと24.1%まで下がり、「50歳代」に至っては19.4%まで減ったそうです。(出所:日経BP総合研究所イノベーションICTラボ)
管理職やマネジメントなど、複数の人との連携が必要な立場の人ほどリモートでのコミュニケーションが難しいと感じる傾向にあるのかもしれません。これまで対面・口頭でコミュニケーションをとってきた人ほど、リモートワークには苦戦している様子が伺えます。
個人単位では目の前の仕事にだけ集中できるので生産性が上がっているように見えても、人と人とのコミュニケーションから新しい商品を思いついたりすることも多いのです。組織全体でみると低下しているということもあるので、どこに目線を置くかで判断基準は変わって来るのではないでしょうか。
メリット・デメリットは表裏一体
テレワークの代表的なメリットとしては、通勤時間がなくなることだと思います。家族との時間やプライベートの時間に時間を多く割け、毎日の生活が充実します。また、満員電車の苦痛がなくなることも大きなメリットです。満員電車で通勤していると、会社に到着したときにはヘトヘトになっているという人もいるようです。心身の体力消耗をなくすことで、仕事時間がより充実するというメリットは捨てがたいものだと思います。
一方で、毎日通勤することで街を行く人々や都会の店構えの変化、四季の移り変わり、社内の雑談など、これまでは通勤中に自然と得られていた情報やコミュニケーションが減ってしまうことはデメリットのひとつです。心身が楽になった分、成長速度が鈍るという一面も避けられないでしょう。人は親密な家族や友人だけではなく、価値観の合わない人や苦手な人との関わりの中で苦しみながら成長しています。氣のエネルギーも、そうした人たちとの関わり合いの中で高まっていきます。
例えば「今日は隣の席の人が機嫌が悪いので、自分までイライラしてしまう」といった、氣の関わり合いを経て鍛えられます。また、氣のエネルギーが高い人と一緒にいることで、その人から良いエネルギーを得られる機会も減ってしまいます。自分の居場所という意識が希薄になって孤独感が増し、やる気を失ってしまうことも考えられます。
そのため、テレワークを取り入れる場合でもできるだけ顔を合わせたやりとりをすることをおすすめします。ビデオをオンにして話す、積極的に雑談をするなどして、オンラインでも密な人間関係を構築し、氣のやりとりを発生させます。人とのコミュニケーションが減ることを楽に思う人もいるかもしれませんが、長期的には精神性の進歩が遅れるという懸念もあります。
さまざまな角度から検討が必要
テレワークの継続については会社ごとに判断することではありますが、働く私たちも、生産性の良し悪しや在宅で仕事をすることの弊害なども含めて、長い目で考える必要があります。悪天候で出勤が難しい時や、子育てや介護で一時的に在宅の方が仕事をしやすい時など、場合によって在宅を選択できるとベストです。あまりにも長い時間を在宅のみで仕事をするとデメリットも生まれてくる可能性があるので、そうしたテレワークのデメリットもしっかり意識した上で、しっかり自己管理・体調管理をし、オンラインでも質の高いコミュニケーションを取れる工夫を考えていく必要があるでしょう。